「はあ……」
妻が帰ってくるたびに、口を開けばため息しか出てこない。
私は都内で営業職をしている40代の会社員だ。中3の息子と小6の娘がいる。妻は子供たちが小学校高学年になってから「少し働こうか」とパートに出始めた。最初の約束は「週3〜4日、8時半〜15時まで」。それが今どうなったか。
毎日フルタイムで20時まで。週5日、土日のどちらかも出勤。「社員の女の子が休めないから」という理由で。
これのどこが「パート」なんだ、と私は怒りを感じている。
最初は「週3日・15時まで」だったはずが…
妻がパートを始めた頃は本当に穏やかだった。子供たちが学校から帰る前に家に戻り、夕飯を作って待っている。そんな生活が続くと思っていた。
ところが職場で人が辞め始めた。1人、また1人と。気がつけば事務のパートは妻ひとりになっていた。当然、仕事量はそのまま妻に乗っかってくる。断れる雰囲気でもない。気づけば扶養を外れ、毎日20時まで働く準社員のような状況になっていた。
中小企業の求人に来るのは外国人か60過ぎの高齢者ばかりで、若い人が来ても当日にバックれる、メンタルを病んでいる、そういうケースが多いと妻はため息交じりに話す。
20時過ぎに帰宅して、そこから夕食を作れるか?
私に言わせれば、答えは「無理だ」だ。
子供たちは17時から20時まで3時間、母親の帰りを待っている。宿題をやっておいてと言っても限界がある。私が早く帰れる日は食事を作るようにしているが、毎日はできない。
妻は帰ってきてご飯を食べると、食卓の椅子でそのまま寝てしまう。起こしても起きない。気がつくと朝の3時、そのまま朝を迎えることも多い。もはや「寝ている」というより「気絶している」という表現の方が正確だ。
そこまでして、なぜ働き続けるのか。妻に聞くと「辞めたら迷惑がかかる」と言う。いや、迷惑をかけているのはその会社の方だろうと思う。
扶養を外れたのに、家計は楽にならない現実
扶養を外れて妻の収入は増えた。しかしファイナンシャルプランナーの資格を持つ私が家計を細かく見ると、社会保険料は確実に上がっており、毎年の昇給分がほぼ消えている。共働きでこれなのだから、片稼ぎでは到底楽にならない。
これは我が家だけの話ではないはずだ。日本全国の共働き家庭が同じ罠にはまっている。働けば働くほど税金と社会保険料で削られ、手取りが増えない。これが今の日本の現実だ。
「今しかない子供との時間」を誰が守るのか
以前は私が仕事ばかりで、妻によく「子供との時間を大切にして」と言われた。今は立場が逆転した。妻の方が仕事にかかりきりで、子供たちとの時間が削られている。
中3の息子はもうすぐ受験だ。小6の娘も来年は中学生になる。子供と過ごせる時間は、本当に「今しかない」。その時間を、ブラック企業に搾取されている。そう思うと私は本当に腹が立つ。
これは「個人の問題」ではなく「政治の問題」だ
妻のような状況は、日本中にあると思う。扶養の壁、社会保険料の重さ、中小企業の人手不足、ブラック企業を取り締まれない行政。これは妻が弱いのではなく、そういう構造になっているのだ。
働き方改革と政府は言う。しかし現場では何も変わっていない。むしろ大企業だけが規制され、中小企業のパート・非正規労働者はその恩恵をほとんど受けていない。
選挙のたびに「女性が輝く社会」「一億総活躍」などというスローガンが並ぶ。だが実態はこうだ。輝くどころか、気絶するほど疲弊している。
次の選挙で問うべきこと
- 扶養の壁・社会保険料の逆進性を本当に解消する気があるか
- 中小企業のパート・非正規労働者を守る労働基準法の実効性をどう高めるか
- 最低賃金の引き上げだけでなく、働き方の質をどう改善するか
- 子育て中の親が「今しかない時間」を守れる社会をどう作るか
妻のため息を聞くたびに、私はこの国の政治に怒りを感じる。でもその怒りを、選挙という形にぶつけることができる。それがこのブログを書き続ける理由だ。
各政党が教育・労働政策についてどんな公約を掲げているかは、政党比較表でまとめているのでぜひ参考にしてほしい。

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